温暖化問題をはじめ地球規模の環境問題が急速に深刻化しています。大部分の環境問題や、教育研究活動、企業活動等における多くの災害・事故の原因には、化学物質が関わっていることが確かとなってきました。さらに、微量有害化学物質の蓄積も無視できない状況となり、国内外を問わず、化学物質の総合的な安全適正管理の実施は、各国政府、行政や関連企業のみならず教育・研究機関にとっても急務であります。また、教育研究機関、関連企業、団体等にとり、教育を通して化学物質の安全適正管理意識をもった社会人を育成することも極めて重要な責務です。かなりの機関、事業所等では、保有化学物質の総合的管理のために、近年、総合的システム管理が導入されてきました。しかし、現在、個々の機関、事業所等では解決できない次のような重大な問題に直面しております。
- 化学物質(薬品)管理方法が未確立で、支援・指導・情報源が欠如している。
- 化学物資(薬品)管理に関する各種法規制等で現状に適していないものが少なくない。
- 化学物質(薬品)の総合的システム管理用の共同利用製品データベースが不在である。個々の機関、事業所等ごとに、多大な労力、経費を費やして、製品データの収集、データベースの構築、点検を行わなければならず、ネットワーク管理導入、運用の大きな障害となっている。
- 化学物質(薬品)管理担当者の情報交換、連携が図られていない。
このような化学物質管理に関する諸問題を解決するため、全国の教育研究機関が連携し、協同で対処することになりました。日本化学会の協力も得ております。大学等環境安全協議会(大環協)の緊急プロジェクトとしても採択され、その支援、協力も受けております。本プロジェクトの実施に際し、運営母体として、特定非営利活動法人(NPO)教育研究機関化学物質管理ネットワーク(ACSES)が設立されました(平成19年12月25日に京都府に申請、平成20年3月21日に認証取得、3月24日に法人登記)。(財)京都高度技術研究所(ASTEM)の支援も受け、事務局は、4月1日に、同研究所内に開設され、活動を行っております。現在のところ、理事は8名(別項参照)で、事務局職員(常勤)は事務局長(兼理事長)と職員の2名で、情報関係業務はASTEMの情報事業部に協力していただいております。
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